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「隣人の描き方」
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「隣人の描き方」 2017 絵、他 インスタレーション
作品について
北海道には先住民族であるアイヌ民族が今も暮らしている。アイヌ民族に対して大和民族を和人(わじん)と言う。現在の日本国民の多くは和人であるが、そのような認識を持つ人は少数だろう。私も和人である。
あまり知られていないが、和人が描いたアイヌの絵が多く残っている。主に江戸時代中期以降に描かれた例が中心だ。それらを「アイヌ絵」や「アイヌ風俗画」と言う。この「アイヌ絵」に私は興味をもっている。
アイヌ絵は誇張や偏見が加わっているため風俗に関する資料としては役に立たない場合もある。ではアイヌ絵を見る意味とはなにか。アイヌ絵へ私がもっている興味はかつての和人が持っていた偏見や差別、好奇の目を引き継ぐものかもしれない。それらとは別種の感情かもしれない。
差別や偏見がなくならない今日において、アイヌ絵はどのような意味を持つのか。また現在のアイヌ絵があるとすればどのようなものになるのか。それらついて考えるため、私はアイヌ絵についてできる限り調べ、模写することを通してアイヌ絵を見続けた。また、同時に現代を生きるアイヌにも幾人か会い、彼らの肖像を描くこともした。
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