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「葉っぱ」
「葉っぱ」 2014 F6号 キャンバスにアクリル
ルネサンス期は羞恥の歴史において特徴的な期間である。それ以前の流れが一変し、盛んに裸体が表現され、その反動のように教会や民衆からの裸体への圧力が強まったからだ。
左の絵はほぼ元のままであり、アダムの持った枝がアダムとイヴの股間を隠している。右の絵では股間が貼りついた葉っぱによって隠されている。より自然に描かれる=進歩という風に考え、時代的には右の絵の後で、左のようになったと思える。しかし葉っぱが股間に貼りつくようになった時代の方が後なのである
山下清がエッセイに「人間は服を着るのになぜ彫刻の人間は裸なのか、恥ずかしくないのか」という素朴な疑問について書いていたのを見たことがある。私にはこの理由がうまく説明できない。
参考 ジャン・クロード・ボローニュ著 大矢タカヤス訳 「羞恥の歴史―人はなぜ性器を隠すか―」 筑摩書房 1994年
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